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個人再生


1  手続の概要


  個人再生手続は、任意整理をするのは難しいものの、さまざまな事情から自己破産は出来ない
という人のために、減額された残債務を分割で支払っていくことができるという平成13年から
新設された債務整理方法の一つです。

  個人再生は、自己破産のように「免責不許可事由」や「資格制限」のようなデメリットが無く、
住宅ローンも今まで通り支払えば、住宅を守ることができるという特長があります。

  個人再生手続には次の2つの種類があります。

@小規模個人再生
A給与所得者等再生


2  小規模個人再生の対象者


  小規模個人再生は、個人事業主を念頭に置いた手続ですが、サラリーマンも利用できます。

  将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込みがあり、かつ、再生債権の総額が
5000万円を超えないことが必要です。

  また、収入があることが絶対条件です。その収入は、3月に1回以上の割合で収入を得る
見込みがあることが目安です。

  そして借金は5000万円以内でなければなりません。但し住宅ローン特則を利用する場合は、
住宅ローンは5000万円には含めません。

  小規模個人再生では、再生計画案につき一定の債権者の同意が必要となっていますが、
その条件は、反対する債権者が半数未満で、かつその貸金の合計額が総額の半分以下である
こととなっています(消極的同意)。


3  給与所得者等再生の対象者


  給与所得者等再生手続はいわゆるサラリーマン向けの手続です。

  小規模個人再生手続の要件を満たす債務者のうち、給与またはこれに類する定期的な収入を
得る見込みがある者であって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれることが必要です。

  収入の変動の幅が小さいというのは、年収ベースで5分の1(20パーセント)程度と
されています。

  給与所得者等再生は、小規模個人再生と異なり、再生計画案につき債権者の同意が要件と
なっておらず、貸金業者が反対したとしても、裁判所が認可すれば再生計画案は通ります。


4  最低弁済額(3〜5年間で最低でも支払わなければならない金額)


  個人再生手続で支払わなければならない金額の計算方法は、
小規模個人再生手続と給与者等再生手続とで分けて考える必要があります。

  小規模個人再生手続の最低弁済額
@100万円
A下の表の額
B清算価値

  @からBのいずれか多い金額になります。清算価値というのは、破産をした場合に債権者に配当
される金額という意味です。

破産したときより多い金額を支払わなければならないという考えによるものです。

通常は清算価値を考える必要はありませんが、不動産をたくさん所有している、価値の
高い自動車を所有している、多額の退職金見込額(清算価値に含まれる退職金見込額は通常
その8分の1です)がある場合などは清算価値が多額になることもあるので、注意が必要です。

借金総額支払金額
100万円以上500万円未満100万円
500万円以上1500万円未満借金総額の5分の1
1500万円以上3000万円未満300万円
3000万円以上5000万円以下借金総額の10分の1


  給与所得者個人再生手続の最低弁済額
@〜Bに加え、
C2年分の可処分所得
@からCのいずれか多い金額になります。

可処分所得というのは、いわば手取り収入額から最低生活費を引いた額という意味で、
家族構成、収入、居住地等から機械的に算出されます。


5  住宅ローン特則


  「多額の債務を抱えた上に、住宅ローンの支払もある。債務の整理はしたいが、住宅を
手放したくない」という方は多くいらっしゃると思います。

そのような方のために、この個人再生手続には、「住宅貸金貸付に関する特則」(住宅ローン特則)
という制度が設けられています。

  住宅ローン特則は、小規模個人再生もしくは給与所得者等再生に付加して申し立てる
ことができます。
住宅ローン特則の概要は以下のとおりです。

  1. 住宅ローンを今までどおり支払いながら、その他の借金を圧縮し、
    住宅を保有しながら再生を図ることができます。

  2. 支払いが滞っていたとしても、要件を満たせば、期限の利益を回復し、また、弁済期間を
    伸長できるなど、住宅ローンの返済方法についてリスケジュールをすることができます。
    また、リスケジュールについて、住宅ローン債権者の同意が不要でず。

  3. 当該不動産が競売にかかっている場合でも、計画の認可の見込みがあれば、競売手続き
    に対して中止命令を出すことができます。

  対象となる不動産は、住宅ローンで建設または購入等した自宅で、現実に居住している土地建物
に限られます(店舗兼住宅、として利用している場合には、当該建物の床面積のうち、2分の1以上
に相当する部分を居住用に利用している場合)。

  敷地のみに抵当権が設定されている場合や、住宅ローン以外の借入れについての抵当権が
設定されている場合には、住宅ローン特則は利用できません。